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入りやすさの裏側には見えない“神”がいた さいたま市・東大宮駅東口「炭火焼き あたりや」

 森川 滋之
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JR東大宮駅の東口を出て、徒歩1分半ぐらいのところにある「炭火焼き あたりや」は、岩井光男さん・八重子さん夫妻と次男の良仁さんの親子3人が仲良く切り盛りする店だ。12席ほどのカウンターは、夕方5時開店で7時頃には満席になる。お客の回転も良く、誰かが帰ると誰かがやって来る。常連さんに店の良さを聞くと、「入りやすさ」と「絶妙のタイミング」だと言う。実は、全てがそのためにデザインされているといっても言い過ぎではない、そんな店なのだった。

昭和の"食堂"のイメージというのは人それぞれだろう。1人ひとりの思い出の中に、それはあるはずだ。僕の場合、どこでそのイメージが植え付けられたのか具体的には思い出せない。その食堂の中は、ただ四角くて(プレハブだったのかもしれない)、壁は木材、照明は蛍光灯で、広い厨房を囲むL字型のカウンターがあるという店。まったくこの通りの店は少ないのだが、このうち3つも満たしていると、とても懐かしい気持ちになる。

あたりやの縄のれんをくぐったとき、その懐かしさが込み上げてきた。でも、何でこんなに厨房が広いのだろう。厨房を狭くすれば、テーブルが3つぐらい置けて、倍の客数を入れられるのに......。

この縄のれんをくぐり抜けると昭和の"食堂"のような店内が

まずは、右から順番に

最初に生ビールを頼む。ほどよく冷めたくて、しかもいい香りのおしぼりで顔を吹き終わると、もうビールが出てきている。「焼き物は?」との問いに、壁に貼られたメニューを右から順に1本ずつ頼む。カシラ、タン、合鴨ツクネ、とり皮、砂肝の5種類だ(名称、表記はお店のメニューのまま)。焼き物の他に、茶豆、冷奴、冷やしトマトを頼む。

とてもうまいが、「ふつうの茶豆」らしい

とてもうまみのある茶豆だったので、「おいしいですね、どこの?」と聞くと「いや、普通の茶豆ですよ」との答え。いや、でもうまい。

それほど待たずに、まずカシラが出てきた。

1本ずつ出てくる焼き物。まずはカシラから

焼き物は、1本ずつ頼んだ順番に出てくる。味付けは塩だけ。普通の塩のようだが、塩加減が絶妙。この手のやきとりは絶対に串から外して食べてはいけない。1人1本ずつ頼むのが基本だ(昔、新宿で説教されて知った)。外さずに食べていくと、最後にネギに当たる。これのおかげで後味が一層良くなる。

> 「ご冗談でしょう、おやじさん」
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