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謙虚さの中に自負を感じるやきとり屋 千葉・船橋「いづみ屋」

 森川 滋之
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千葉・船橋駅周辺は、やきとり屋がひしめく激戦区。老舗も多い。その中で50年続いている「いづみ屋」にお邪魔した。お客が何かを食べるたびに、「うまい、うまい」と呪文のように連呼する店。どの料理も「模範的」な味なのだ。その上、接客のポリシーが、やきとり屋好きにはたまらないものだった。

若い頃から1人で飲みに行くのが好きだった。仲間とワイワイ飲むのも大好きなのだが、1人で飲むのもいつもワクワクしていた。それが、50歳になる直前ぐらいからあまりワクワクしなくなっていた。唯一残った例外がやきとり屋で、いい店を見つけると今でもワクワクする。その理由を明確に言葉にしたくて、この連載を始めさせてもらった。

取材のフォーマットも固まってきた。お店との出会いは様々で、知人に店を紹介してもらったり、自分で調べたり、たまたま通りかかったりなどパターンはいくつかある。入ったらカウンターに陣取り、ドリンクと串物数本をオーダーする。最初はお薦めを聞かず、例えばメニューの右から数本を1本ずつ頼む。塩・タレを聞かれたら、「お任せにできますか」と聞き、ダメなら指定する。串物を数本食べて、「これはうまい」と思ったら、改めて取材の申し込みと店内の撮影を願い出る。

この取材許可をもらうタイミングが一番緊張するので、できれば早くしたいのだが、肝心の串物を食べてから口に合わず、やっぱり記事にしませんでしたというのは避けたい。僕の舌が優れているわけではないが、少なくとも自分が納得できないものを紹介することはできない。

今回取材したいづみ屋も、この流れの例外ではなかった。ただし、お通しを口に入れた瞬間に、間違いないと思ったのである。それほど「模範的」な味だったのだ。

> 雑居ビルの奥にまるで神社のように存在
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