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半年で常連をつかみ地域に溶け込んだ店 東京・田端銀座商店街「ケムリ 参」

 森川 滋之
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他の店にはなさそうな、お通しがうれしい

開店時間を過ぎても、準備に忙しい店は多い。「ケムリ 参」もそんな店で、とりあえず生ビールを注文して、しばらく様子を見ることにした。

数分後、店長の奥さんが赤ちゃんを抱いて入ってきて、そのまま手伝いを始める。生ビールと一緒にお通しを一緒に運んできた。赤ちゃんは、4ヵ月の女の子だそうだ。

お通しは、たぶん煮物だと思うのだが、汁気はまったくない。熱々のこんにゃくの上に豚バラ肉が載っている。ちょっと新鮮な感覚だった。凝ってはいなくても、他の店になさそうなお通しはうれしいものだ。

熱々のこんにゃくの上に豚バラ肉のお通し

火は起こっているが、落ち着くのに若干時間が掛かりそうだったので、鳥サラダを頼む。これはあっという間に出てきた。

レタスものりもシャキシャキの鳥サラダ

そうこうするうちにようやく店長が落ち着いた様子だったので、取材を申し込む。過去の記事はあるかと聞かれたので、1回分を印刷したものを渡した。説明が楽だと思って、実は今回から用意してきたのである。いきなり役に立った。ただ、店長は「読んできます」と言うなり奥に引っ込んでしまった。ざっと目を通すだけだと思っていたので、ちょっと緊張してしまう。

そのうち、いかにも地元の人という感じの60歳ぐらいのご夫婦が来店。店長が出てきて接客を始める。話しぶりからすると常連さんのようだ。取材の話はうやむやになったかなと思った瞬間、店長が口を開いた。「うちはぜんぜん問題ないですよ」。そこですかさず取材を開始。店長は、今堀克俊さん。42歳だという。

しかし、「でも、何でやきとり専門で書いているんですか?」と今堀さん。前回に続き、僕のほうが取材されてしまった。

「それは、まず僕がやきとりが大好きだからです。特に、こういう地元密着のお店を応援したいと思っています。あとは、どうも他にやきとり専門のライターはいないらしいということですね。ラーメンはたくさんいるのだけど」。そう返事をすると、「そういう人がいるのは、うれしいですね」と言われた。僕もうれしい。

> 常連さんがお酒を土産に持ってきてくれる
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