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自分へのご褒美にしたい店 東京・五反田「勇」

 森川 滋之
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今回の紹介者は五反田にオフィスがある営業コンサルタント氏。常連どころか1回しか行ったことがないのだが、とっておきにしているお店なのでぜひ連れて行きたいという。そのお店「勇」は五反田駅近くの複雑な路地の一隅に溶け込むように存在している。たしかにとっておきにしたいお店であった。

この連載の第1回にも書いたように、日本には「やきとり屋」が約2万軒ある。これだけあれば「すがれた」面構えのお店なら必ずうまいだろうという安易な予想で始めたのであった。

最初のうちは実際にそうだったのだが、回を重ねるうちに違うことが分かってきた。すがれていても紹介できない店も出てきたし、逆にすがれていなくても良い店は良い。紹介できなかった店にはおいしくない店もあったし、うまいのだがJAGZYの読者には合わないと思える店もあった。

考えてみれば、そんなに安易に良い店が見つかるのなら苦労しないわけで、当たり前の話なのだが、一時は落ち込みもした。

まだ落ち込みの余韻が残っていたときに今回の「勇」の取材となった。いやあ、まだまだ(これも当たり前だが)僕の知らないすごい店がたくさんあるんだなと、まさに「勇」気づけられた。

お通しで確信

勇は、五反田駅から徒歩3分のところにある。この辺の路地は複雑で、また至るところに飲み屋がある。やきとり屋もとても多く、その分、名店も多いと聞く。まさに激戦区であり、紹介でもない限り、僕が勇に足を運ぶ機会はなかったかもしれない。

開店時間は夕方5時だと思ったのだが、10分過ぎても暖簾が出ない。僕は行列に並ぶことは嫌いだが、お店が開くのを待つのには寛容なほうである。チェーン店ならいざ知らず、個人店なら仕込みが遅れることもあるだろう。妥協を許さない店ならそれも仕方ない。

とはいえ、手持ち無沙汰なのもたしかだ。店をのぞいて聞いてみたら、実は5時半開店だった(ただし、土曜日と祝前日の日曜日は5時から)。こちらの勘違いである。なあに、場所は五反田だ。暇をつぶすところはいくらでもある。とりあえず立ち飲みができる酒屋を見つけて、ビールを飲みながら開店を待った。

5時半に行くと、最初のお客だった。紹介者と並んでカウンターの一番奥に座る。カウンターのみ10席ほどの小さなお店である。この日は、6時半ごろには満席になった。

生ビールを注文すると、早速お通しと一緒に運ばれてきた。じゃこおろしとレバーパテだ。

じゃこおろしに限らず大根おろしがお通しのとき、僕はすぐに全部を食べることなく残しておく。その理由は、一部の熱心な読者諸兄にはお分かりだろう。

レバーパテは、森永の小麦胚芽クラッカーに載せてある。バゲットかリッツに載せるところが多いと思うのだが、小麦胚芽クラッカーはベストの選択と思えた。それほどレバーパテと合う。パテのとろける食感とクラッカーのサクサク感の組み合わせがたまらない。小麦胚芽クラッカー独特の味もレバーと合うようだ。

お通しはじゃこおろしととろけるレバーパテ

この段階で既にうまいことを確信した。

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