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ラパ・ヌイ――モアイ像がたたずむ島 もの言わぬ巨像は何を語るのか?

 小野 正惠
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南米チリの西、首都サンチャゴから約3800kmの南太平洋に浮かぶイースター島。「ラパ・ヌイ」とも呼ばれるこの島は、島内に林立する巨大な石像モアイで有名だ。いつ、誰が、何の目的で、どのようにしてこれらの石像を築いたかには、諸説あるものの確たる証拠はない。だが、謎に満ちた巨像は、紛れもなく人類が築いた大いなる遺産である。(写真=photolibrary)

南太平洋の絶海に浮かぶ火山島

南太平洋に浮かぶイースター島。ポリネシアの人々が「輝ける偉大な島(ラパ・ヌイ)」と呼ぶこの火山島は周囲約60kmで、面積は日本の利尻島とほぼ同じ。全体がラパ・ヌイ国立公園として世界遺産に登録されている。

「イースター島」と呼ばれるようになったのは、18世紀のオランダ人探検家ロッゲフェーンが西洋人として初めて上陸した日が、感謝祭(イースター)だったためだ。その約50年後、英国人探検家のキャプテン・クックがこの島のことを「航海記」に記したことで、イースター島の名は世界に広まった。現在は、イースターの現地語読みである「パスクア」島が、正式名称である。

亜熱帯に属しながら緑に乏しいイースター島。南太平洋の楽園というイメージからはかけ離れた景観だ

南太平洋のトロピカルな島というイメージとは裏腹に、イースター島では海流の影響でサンゴも生育せず、海岸線の大半は険しい断崖で、岩肌もむき出しだ。いかにも火山島らしい荒涼とした景観の中にたたずむのが、887体にものぼるモアイ像である。

大きな頭とずんぐり体型が特徴のモアイ像は、高さ3~30mで、重いもので数十トンにもなる石造りの巨像。多くが海を背にして立っていることから、鳥を守るとともに祖霊を祀るための像だと考えられているが、真相はいまだ謎に包まれたままだ。

島南西部のハンガロアが、イースター島唯一の村。市場や土産物屋が建ち並ぶ

> 巨像の島がたどった悲劇
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