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五感が研ぎ澄まされるイエローストーン! 自然遺産の全基準を満たす米国立公園、その“迷”体験記

 小野 正惠
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1972年にパリで行われた第17回UNESCO総会で、「世界遺産条約」は採択された。翌年、米国が最初に批准し、20ヵ国以上の締結を得た75年に正式発効に至った。そして78年、最初に世界遺産に登録された12件のうちの1つが米国のイエローストーン国立公園だった。さらに、それに遡ること約100年、イエローストーンは1872年に米国で世界初の「国立公園」に制定された歴史を持つ。正真正銘の人類と地球の宝。自然保護の原点ともなったこの地には、人間を含む地球上の生き物の心身を浄化する霊気があふれている。さて、そこでの"迷"体験記とは? [冒頭写真:photolibrary]

自然遺産の評価基準には、「地球の歴史の各主要段階を表わすものであること」、「生態系や動植物の進化発展の過程を示す重要な例であること」、「優れた自然美を持つこと」、「学術上、環境保護上価値があり、絶滅の恐れのある野生種の自然生息域であること」――という4点がある。毎年行われる世界遺産委員会では、各候補地がそれらのどれを満たしているかが問われる。イエローストーン国立公園は、そのすべてを網羅している貴重な場所。

10万~6万年前の激しい火山活動で造られたこの土地には、今も数々の熱水現象が見られる。約300もの間欠泉や、石灰棚、温泉などで、その総数は約1万にも及ぶ。まさに「生きている地球」を肌で感じられる場所なのだ。

1959年の地震の時を除き、130年以上もの間、60~110分起きに噴出し続けているため、古く忠実な、を意味するオールド・フェイスフルと呼ばれる間欠泉。30~55mの高さで吹き上る [写真:NPS photo]

見晴らしのいい道路わきの駐車場に車を止めると、ブラックベアが車の窓まで近づいて来たり、近くの川でムース(ヘラジカ)が水遊びをする姿や、「マンモス・ホット・スプリングス」と呼ばれる石灰棚の上でエルクが休憩する姿が見られ、夜ともなれば遠くからコヨーテの遠吠えが聞こえたりする。ここでは野生動物が主役なのだ。

バイソンの群れが園内の道路を堂々と横断。ドライブウエーのあちこちに「動物の横断注意」のサインが出ている [写真:NPS photo by Neal Herbert]

園内の木道を歩いて行くと、エメラルド色をたたえた温泉に出会い、100mもの高さに吹き上る間欠泉を目の前で見ることもできる。4500万年から5000万年前から続く森林では、野鳥や小動物、かれんな草花が迎えてくれる。それらが織りなす自然美を堪能するためには、たっぷり時間をかけて旅したい。

約80度の熱湯が湧くモーニング・グローリー(朝顔)と呼ばれる池 [写真:NPS photo]

グランド・プリズマティック・スプリング。最大直径が113mあり、公園内で最大の温泉だ [写真:NPS photo by Jim Peaco]

> さて体験記、「旅は釣りから始まった」
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