part 3.自分だけの究極のキッチン構築法とは
どう暮らしたいかを考える

3-1 理想へのステップ

今回話を聞いた3人ともに口を揃えたのは「どんなキッチンをつくるかを考えることは、どんな暮らし方をしたいかを考えることと同じ」だということ。それほどまでに、キッチンのあり方と暮らし方は密接な関係にある。この大きな問いに答えを出し、具体的にキッチンづくりに反映させるためのステップを門倉さんに聞いた。

「鹿児島の家では、気楽に付き合える人を招くことが大きなテーマ。まずはキッチンをオープンにするかしないかを考え、ゲストにも気楽にキッチンに入ってもらえるようにとLDKをすべてオープンに。次に、この家にはリラックスするために来るので開放感を大切にしたいと思い、圧迫感のある吊り戸棚は最低限に。代わりに、収納のためのパントリーを設けました。3つ目に、パン生地をこねたりお菓子作りをしたりするスペースが欲しかったため、アイランド型のマーブル天板の作業台を設置。機器は、お菓子やパンを焼くためのオーブンと、食洗機。庭があるので七輪で魚を、バーベキューセットで肉を焼きたいと思っていたので、コンロはグリル付きのガスにこだわらず、IHを入れています」。

3-2 小さな不満を解消する

別のアプローチ方法を教えてくれたのは田原さんだ。「オーダーメイドキッチンを注文されるかたの中に
は“収納の奥行を5cmのばしたい”、“ワークトップの高さを3cm下げたい”といった要望をお持ちのかたが少なからずいらっしゃいます。オーダーメイドではミリ単位での対応が可能なので、そうした要望に答えられます。“ここがもう少しこうなっていれば…”という、日々のちょっとしたストレスの積み重ねを解消すると、今度は幸せが毎日積み重なります。

完成数カ月後に伺うと、ご主人と仲良くなられたり、ご本人が目に見えて綺麗になられたりと、かなりの変化が見られ、こちらがびっくりすることもあります」。今目の前にあるキッチンに向き合い、どこが不満なのかをリストアップすることも、理想のキッチンに近づく一歩となり得るのだ。

3-3 理想のキッチンの完成

「自分がこだわりたいと思うところを明確にして、あとはプロにお任せすることで、調和のとれたキッチンが出来上がったと思います」と門倉さん。設計士に好みの雰囲気のインテリア写真を渡してイメージを伝え、あとは「鹿児島の気候に合う」ことを踏まえた設計を、と依頼した。また「動線やビルトインの機器など、変更ができないものや変更が大掛かりになるものについては、最初に真剣に考えました。けれども、料理は意外にモノがなくてもできるもの。最低限のところから始めて、使いながら微調整していくとよいのではないでしょうか」とアドバイス。

田原さんは「リブコンテンツでは、ショールームで料理教室などのワークショップを開催し、キッチンを使っていただいています。機器メーカーのショールームでも同様のことが行われているので、実際に試してみるとさまざまな発見があるでしょう」と語る。では最後に、理想のキッチンをつくるには、完成までにどの程度の期間を考えておけばよいか。田原さんが主宰するリブコンテンツを例にご紹介しよう。「ケースバイケースですが、オーダーメイドキッチンの場合、最初のお打ち合わせから引き渡しまで、4カ月半から半年程度が平均的です。実際の工事期間としては、キッチンのみのリフォームの場合は、1週間〜10日。LDK全体では2週間〜1カ月です」。

Aha! 日本のキッチンメーカーもすごい!
「デザインはイタリア、収納システムはドイツが世界をリードしていますが、日本のメーカーも、世界にないすごい機能を持っています」と本間さん。たとえば水流の力を利用して排水口をきれいに保つリクシルのシンクや、ハンドシャワーから出る水を箒のように使ってシンクの内側を洗いやすくするTOTOの水栓など、利便性の高い機能が豊富だ。
Text
:by Naoko Ando
Composition
:by Yuko Taniguchi
Priv.
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