生涯の趣味に出合う
新たなゴルフの楽しみ方

「紳士のスポーツ」と呼ばれるゴルフ。かつては接待ゴルフなど、ビジネス面のイメージが強かったが、最近では若い世代や定年後の世代にも人気だという。今回はそんなゴルフの奥深い魅力や楽しみ方の新潮流について、日本プロゴルフ協会の理事を務める三田村昌鳳(みたむら しょうほう)氏に話を聞いた。

ゴルフが「紳士のスポーツ」と呼ばれる理由

まず、ゴルフが「紳士のスポーツ」と呼ばれるゆえんについて、三田村氏に尋ねた。

「スポーツの中では、ゴルフに限ってレフェリーやアンパイアがいない。ということは、やろうと思えばルールを無視することができる。故に、ゴルファーには秩序を守るという人間性が問われるわけです。その基本は、嘘をつかない、それから他人に迷惑をかけないということですが、そのような人間性を紳士、淑女という言葉に当てはめているのです」

つまり、ゴルフのマナーやルールの根本には、ズルをせず、他人に迷惑をかけずにプレーするという精神がある。その精神が紳士、淑女であるというのだ。

さて、かつては主に壮年の男性が楽しむスポーツというイメージがあったゴルフだが、現在では男女を問わず、若い世代からシルバー世代まで幅広い層の人たちが楽しむようになった。

ゴルフの魅力について語る三田村昌鳳氏。

ゴルフが幅広い世代をひきつけるわけ。それは「完璧がないから」だと、三田村氏は言う。

「たとえ同じコースでプレーしていても、天気も芝のコンディションも違う。同じシチュエーションはひとつもない」のである。だから、何度プレーしても飽きることがない。そして、そのことがゴルフの難しさのひとつ。以前うまくいったからといって、同じことをしても結果は異なるのだ。

「思い描いた通りにいかないのが、ゴルフなんです。そして、そこでもやはり人間性が問われる。ゴルフはミスを重ねながら、いかによいスコアで上がるかという『ミスのスポーツ』と言われますが、ミスのショックを自分でうまく吸収していかなければ、気持ちが動揺してスコアを崩してしまうのです」

また、考えすぎもよくない。

例えば、右は崖、左はOBという状況で、それを意識しすぎるとボールをうまく打つことができない。普段の練習では、ボールをまっすぐ飛ばすことができるのにだ。ならば意識せずにプレーすればいいのだが、それを簡単にさせてくれないのがゴルフというスポーツなのだ。三田村氏は言う。

「18ホールは大体4時間でラウンドしますが、1ショットの瞬間は2秒もかからない。つまり100たたいても100秒ほど。では、その他の3時間58分20秒は何しているのかというと、移動したり、待ったりしている。すると、その間はどうしてもいろいろと考えてしまうものです」

そう考えるとゴルフは自分の精神力との闘いであるが、このことこそがゴルフの奥深い魅力のひとつなのである。

あの時代 あの男たちのゴルフ
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