Living with photography - 写真のある暮らし

女性科学者の庭園

Througham court garden (Gloucestershire ,UK)
ソロガム・コート・ガーデン(イギリス、グロースタシャー)

博士号を持つ科学者であり、造園家、工業デザイナーのクリスティーン・ホフマン博士の自宅の庭である。博士によれば、「この庭は、科学的理論に基づいた、新しい考えや、材料、および植栽の実験のためにある個人的な『研究所』」とのこと。庭はそもそも、美学の表現の場たりえる。しかし、美学と科学の合体した庭とはどんなものだろうか……さっそく、訪ねてみた。たとえばこんな具合だ。
「人生は運のゲーム」を表したという 「Anatomy of the black swan gate.」を開けて中に入ると、目に飛び込んでくるのは、赤、白、黒のチェッカーパターンに彩られた「Chiral Terrace」 (Chiral(キラル):反鏡像対称性、鏡像異性体)である。手の形のように三次元の物体や現象は、その鏡像として、完璧には重ね合わせることができない側面を表現したとか。科学理論に全く疎い者がそれを聞いても、すべてを理解することはできないのであるが、深く納得できるのは、庭づくりの発想、デザインの可能性は、無限であるということだ。エキノプス(ルリタマアザミ)が植えてあるフラクタル概念の扉の向こう側には、延々とコッツウォルズの丘が広がっていた。

Text & photography = Keiko Yoshiya

ソロガム コート ガーデン
http://christinefacer.com/

吉谷桂子(よしや けいこ) ガーデンデザイナー
約7年間の英国滞在経験を活かしたガーデンライフを提案。帰国後、ガーデンデザイナーとして東京ミッドタウン「ボタニカ」、箱根「サン=テグジュペリ 星の王子さまミュージアム」のガーデンを手がけるなど幅広く活躍。「花に囲まれて暮らす家」(集英社)他著書も多数。2013年より、花がテーマの服飾ブランド「Shade YOSHIYA KEIKO」主宰。
http://shadeyoshiya.com/shadeblog