Living with photography - 写真のある暮らし

植物本来の強さを引き出すローメンテナンスな庭づくり

The Beth Chatto Gardens(Elmstead Market、UK)
ベス・チャトー・ガーデンズ(イギリス、エルムステッド・マーケット)

ベス・チャトーさんはイギリスの園芸界で最も尊敬されているガーデン・デザイナー、プランツウーマンである。理由は、彼女が庭づくりと植物栽培のエキスパートであると同時に、優れた芸術家でもある点だが、ベスさんの庭が注目されている最大の理由は、この庭の環境にある。温暖化の影響もあり、庭のある東イングランドは、イギリスで最も降雨量の少ない地域だ。高温で乾燥する夏は、いかに植物を存続させるかが、昨今のイングリッシュ・ガーデンの課題になっている。そこで、ヒントとなるのがプランツ・エコロジーだ。植物本来の生態環境への適応性に注目し、環境にあった植物を選び植えることで、水道灌水も、人工的な施肥もなく、より自然な植物の強さ、美しさが引き立つ庭となっている。イギリスと日本の風土は異なるが、乾燥に強い植物や日陰でも美しい植物など、日本でのローメンテナンスな庭づくりにもおおいに参考になる。今後の庭のあり方を学ぶ場所としても、注目の庭である。

Text & photography = Keiko Yoshiya

Beth Chatto (ベス・チャトー)
1923年イギリス生まれ。教師として働いた後、1960年に現在の場所でウォーター・ガーデンの造園を開始。1975年、有名な園芸家たちが集うチェルシー・フラワー・ショーに初参加し、銀メダルを獲得。英国ガーデン界の注目を集める。その後も同フラワー・ショーで10年連続で金メダルを獲得。2002年に、女王陛下の名のもとに、大英帝国勲章を賜る。
http://www.bethchatto.co.uk/

吉谷桂子(よしや けいこ) ガーデンデザイナー
約7年間の英国滞在経験を活かしたガーデンライフを提案。帰国後、ガーデンデザイナーとして東京ミッドタウン「ボタニカ」、箱根「サン=テグジュペリ 星の王子さまミュージアム」のガーデンを手がけるなど幅広く活躍。「花に囲まれて暮らす家」(集英社)他著書も多数。2013年より、花がテーマの服飾ブランド「Shade YOSHIYA KEIKO」主宰。
http://shadeyoshiya.com/shadeblog