FPがおすすめする資産運用の正しいステップ 後編
〜資産運用の5STEP〜

2015年の夏が始まりかけたころの株式市場には、将来の値上がりを期待する多くの人が群がっていました。そして、テレビやネット、雑誌などに登場する評論家やアナリストも、未来に対して楽観的な予測をしている方が少なくありませんでした。

ところが、皆さんご存じの通り、中国発の株式市場の混乱は、あっという間に全世界に広がり、中国経済が失速するという予測が、世界中の株式市場の大きな重しとなってしまっています。株式市場はまるで、夏があっという間に終わって、秋を飛び越して冬が来てしまったかのようです。

前回、初夏にお届けしたコラムでは、【株価や不動産価格が右肩上がりを続けているうちは、どうしても、『いつか来るかもしれない冬』に対する意識が薄くなりがち】とお話ししましたが、今回の混乱で、多くの方が「備え」の重要性をあらためて意識したのではないかとお思います。

それでは、具体的な「備え」とは、どんなものなのでしょうか?

それは、どこかで売っているものではなく、投資に対する普遍的な考え方、姿勢の一つだといえるのではないかと思います。

今回のコラムでは、そのイメージをお伝えしていきたいと思います。

Step4 具体的に金融商品を検討する

まずは、前回お話ししました目標利回りを、いかにして安定的に実現していくかを考えてみたいと思います。

利回りを得るためには、何かしらの金融商品を採用する必要がありますが、皆さんにはぜひ、"プロの力を借りる"ことをお勧めしたいと思います。これは、一般的には投資信託を活用する、つまり、資産運用自体を職業としているファンドマネジャーに、自分の運用をアウトソーシングすることを意味しますが、ファンドマネジャーは専門職であり、彼らと(私や皆さんのような)一般の個人投資家とは以下の3点において大きく異なります。

1.情 報
リアルタイムかつ適切な情報を入手できる。

2.時 間
必要なときに必要なアクションをとることができる。

3.資金力
投資家から集められた多額のお金を使って十分に投資先を分散することができる。

上記3点において、ファンドマネジャーと渡り合える人は、そうはいないはずです。自分自身の運用能力が長けている理由を明確に語れるという方であれば、プロの力を借りる必要はないと思いますが、そうではない多くの方々には、適切なプロにアウトソーシングすることをお勧めしたいと思います。

これは、医学にたとえると分かりやすいかと思います。いくら健康に詳しい方でも、実際の手術室で刻一刻と変化する患者の状況に臨機応変に対応し、適切な治療を施すことはできないと思います。また、総合病院の中には、脳外科医や心臓外科医、消化器や循環器など、実にさまざまな専門医がいます。投資の世界にも、投資対象によって異なる専門医、つまりファンドマネジャーがいるということです。彼らの力を使わずに、自分自身が全てのカテゴリーのスペシャリストになることは、なかなか困難なのです。

では、どんな投資信託を検討するべきなのでしょうか? 星の数ほど存在する投資信託の中から、自分に合ったものを選ぶ自信がないという方は多いのではないかと思います。でも、ここで過度に神経質になる必要はありません。

投資信託を選ぼうとすると、どうしても特別に光り輝く投資信託を探したくなりますが、その当たりくじを引ける可能性に期待することは、恐らく多くの方にとっては時間とお金の無駄といえるのではないかと思います。

それよりも、国際分散投資の基本に忠実に従う、つまり、運用コストの安い4カテゴリーの投資信託(※)をバランスよく保有するほうが賢明だといえるでしょう。

(※)国内株式・国内債券・海外株式・海外債券のインデックスファンド

Step4 確認ポイント
・プロ(ファンドマネジャ)の力を、上手に活用する

Step5 分散投資のメンテナンスを理解する
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