FPがおすすめする資産運用の正しいステップ 中編
〜資産運用の5STEP〜

日本企業の業績は奇跡的な回復を示し、過去最高益となっている企業も続出しています。そして、前編のコラムで近い将来、日経平均株価は2万円の大台を超える可能性が高まって…などと言っているうちに、あっという間に、2万円台が当たり前に感じるようになってきました。

また、5月22日に日銀が開いた金融政策決定会合では、景気の基調判断が小幅に上方修正されましたが、年2%の物価上昇率の達成時期が少しだけ先送りにされたこともあり、これまでの大規模な金融緩和は継続されることとなりました。

そのような状況下、株式市場では楽観的な見方が増えてきましたが、そろそろ「季節は巡る」ことを意識してもよいタイミングになってきたのではないでしょうか?

春や夏にしっかり準備しておかないと、秋に刈り取り、冬に備えることは難しいものです。資産運用の世界でも全く同じことがいえるのですが、株価や不動産価格が右肩上がりを続けているうちはどうしても、『いつか来るかもしれない冬』に対する意識が薄くなりがちです。

今回のコラムは、そのような皆さんにお届けしたい内容となります。

自動車には、加速するための最先端のメカニズムが搭載されていますが、まさかの衝突時の対策も多く施されています。皆さんの資産運用のスタイルは、まさかのアクシデントに対応できるかたちになっていますか?

Step3 目標利回りを設定する (『成功』を定義する)

さて、前回のコラムで、国際分散投資の結果が安定するのは、5年、10年単位の時間が必要であることをご理解いただいたと思います。もちろん、2014年、2015年のように、1年目からよい結果が出ることも時にありますが、逆に、始めた途端にマーケットが下落し、3年間減り続けることもあるのです。

そのような過去の「事実」を踏まえれば、安心して投入してもよいのは、今後5年以上は使う予定のない余剰資金ということになりますが、今回は、その余剰資金の運用において、どの程度の利回りを期待するべきか、考えてみたいと思います。

もちろん、資産運用はお金を増やすことが目標ではありますが、もしも、みなさんが、『いつも』『できるだけたくさん』もうけたいという気持ちを持っているのであれば、よい結果を得ることはできないかもしれません。

いつも『ハイリターン』を望むということは、必然的に伴う『ハイリスク』を許容することを意味します。それを無視して『ハイリターン』の金融商品ばかりを手にするようになれば、それは、自分自身の資産運用を単なるギャンブルとしてしまうことを意味します。

そうならないためには、皆さんの大切な資金を活用する資産運用において、最初に達成すべき目標、満足すべき目標を設定しておくことが大切です。言い換えれば、自分の資産運用の『成功を定義する』ことが大切だということです。

さて、その最初に設定すべき目標、満足とすべき目標とは何でしょうか。

ここで多くの方におすすめしたい目標は、誰もが羨む高利回りの運用に成功し、一攫千金で富の山を築くこと……ではありません。これは、あくまで最終的なゴールとしては『あり』なのかもしれませんが、最初に設定すべき目標ではありません。

皆さんに本当におすすめしたい目標とは、将来の経済的不安から自らを解放すること、つまり、豊かでゆとりのある生活を実現できるだけの資産を持つことです。それ以上の富を求める場合でも、まずは、この目標を達成することを最優先していただくことがよいのではないでしょうか。

そして、それを実現するためには、どれくらいの利回りが必要なのかを考えてみていただきたいと思います。それこそが、最初に越えるべきハードル、つまり達成すべき目標利回りとなるわけですが、これを自分で計算するのはなかなか大変です。そこで、皆さんに活用していただきたいのがキャッシュフロー・シミュレーションです。まずは、自分自身でこのシミュレーション結果を確かめてみていただきたいと思います。これは、今後予想される収入と支出から、将来の資産残高推移を描いていくものなのですが、どれくらいの利回りがあれば、前述の目標が達成できるのか、その目安を知ることができます。
※キャッシュフロー・シミュレーションは、FP事務所、金融機関などで作成してもらうことができます。

このシミュレーションを行うと、皆さんそれぞれの人生において、どの程度の利回りがあれば『いつかお金が無くなる心配』から解放され、悠々自適のセカンドライフを過ごしていけるかが明確に分かります。皆さんには、まずは、この利回りを『いかに安全に確保するか』を意識していただきたいと思います。

資産運用では、隣の人よりたくさんもうけることよりも、この目標利回りを達成することに満足を感じる姿勢が大切なのです。

Step3 確認ポイント
・資産運用における成功=あらかじめ定めた目標利回りの達成

もちろん、お金はあればあるだけ安心感が増しますが、70代、80代になってから、(仮のお話ですが)2008年のような金融危機と直面して資産を半減させてしまった場合、もう、そこから挽回する時間は限られていることを知っておく必要があります。

世界の金融危機がそのまま皆さん個人の家計危機に直結し、人生を破壊する可能性があるのです。資産運用はゲームではありません。途中まで調子が良かったけれど、最後に足元をすくわれた、などということがないようにしなければなりません。

リターンの追求も大切なのですが、リスクのコントロールも大切です。

皆さんには、まずは、自分の人生にゆとりをもたらす利回りを安定的に確保する工夫を心掛けていただきたいと思います(誰よりも高い利回りを目指すのは、それができたあとです)。

次回は、国際分散投資で、よい結果を導き出すための工夫について触れていきます。

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