FPがおすすめする資産運用の正しいステップ 前編
~資産運用の5STEP~

ここ2年間で、日経平均株価は2倍を超す大きな伸びとなりました。異次元の金融緩和、いきすぎた(かどうかは分かりませんが)円高の是正により、日本企業の業績は奇跡的な回復を示し、近い将来、日経平均株価は2万円の大台を超える可能性が高まってきています。ここまで急激な上昇を見ていると、80年代後半のバブル期を思い出してしまう、なんて方も多いのではないでしょうか。

でも、株をやればだれでももうかりそうな気がする(?)このような時こそ、落ち着いて株式市場と向き合い、株価の推移を観察してみていただきたいと思います。過去に2倍、3倍になった指数が、突如下落し、投資家に大きなダメージをもたらした例は、いくらでもあります。日経平均株価の未来が暗いというわけではないのですが、『冬来(きた)りなば、春遠からじ』という言葉の逆もある、つまり、春や夏が来れば、いつかは秋や冬が来ることも、想定しておくべきなのではないかと思います(適当に金融商品を手にとって待っていればよい結果がついてくると考えている楽観的な投資には、少しばかりの注意が必要かもしれません)。

皆さんにはぜひ、このコラムを通じて、資産運用に臨む際の心構えや、よい結果を導き出すために必要となる『知っておくべき考え方やコツ』などをつかんでいただきたいと思います。

なお、私たち一般の個人投資家が、資産運用でよい結果を得るためには特別な能力は必要ありませんが、自分の運用手法に自信を持つこと、そして一貫性のある投資行動を徹底してとることが求められることもお伝えしておきます。

このコラムでは、皆さんが自信を持って資産運用を継続できるための秘訣を、5つのステップでご案内していきます。ぜひ、皆さんそれぞれの投資戦略の参考としてください

STEP1 投資する意義を考える

資産運用自体は、事務的には何かしらの契約書にサインしたり押印したりすることで開始されますが、そもそも『お金を投資する』ということは何を意味するのか、その概念を確認するところからお話を始めたいと思います。

学生時代に世界史を学んだことがある方であれば、ご存じのことかと思いますが、この地球上に初めて誕生した株式会社といえば、時は17世紀、オランダ東インド株式会社です。株式会社ですから、株を発行して、(実務として会社を運営するメンバーとは異なる)第三者の出資を受けて活動していたということになります。

第三者から出資を受けた理由は簡単です。彼らは貿易や戦争などの活動を通じて利益を生み出していたのですが、より大規模に、そしてより効率よく活動するために、多くの資金を必要としていたからです。彼らは自分たちに資金を提供してくれた、つまり出資をしてくれた人には年間20%程度の金額を配当金として渡していました。当初は株式市場なるものは存在していませんから、出資者の利益はこの配当のみということになります。言い換えれば、「株価」という概念が当初はなかったということになります。つまり、多くの人が株価の上昇ではなく、配当に期待して出資をしていたということです。

結局のところ、当時の出資者は、自分で直接貿易をしたり戦争をしたりするわけではないけれども、資金を提供することにより、その活動を支援し、その見返りとして、生み出される利益の一部を還元してもらうことを目的としていたといえます。ここで、ご留意いただきたいのは、当たり前ですが、この配当は毎年確約されていたわけではないということです。出資者は、株式会社を信頼し、中長期的な利益を生み出すことを自己責任で期待して出資していたことを、あらためてご確認いただきたいと思います。

実は、この出資者の考え方こそが、真に普遍的な『株式投資の概念』なのです。本来の株式投資とは、表面的な短期的売買で爆発的利益を狙うものではありません。皆さんの資金を第三者に提供し、有効活用してもらうこと、そして、それにより生み出された利益の一部を還元してもらうことが目的なのです。例えば、日経225に連動する投資信託を購入するということは、日本を代表する株式会社に対して、皆さんが資金を提供していることを意味するわけです。

Step 1 確認ポイント
・投資する=自分の資金を第三者に提供して有効活用してもらう。

もちろん、現代においては株価の上昇も投資の醍醐味の一つですが、あくまで結果論であるという考え方が大切です。高水準かつ、安定的な配当が期待できる企業の株は多くの投資家にとって魅力的であるため、需要と供給の関係で値段が上がっていくだけのことなのです。

【参考】
株式投資と対極にある債券投資は、あらかじめ利息を決めて第三者にお金を『貸す』行為です。株券は出資したことを証明するものといえますが、債券はお金を貸した証明書(借用証書)にたとえられます。

STEP2 投入金額を検討する
1  2