相続の基礎 その2 〜3つの時間〜

みなさん、こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの山田英次です。

前回のコラムでは、相続に関する基本的な考え方、そして、『相続』という場面の登場人物についてお話をしました。

大切な家族が亡くなるそのときのことを積極的に想像する方は多くはありませんが、まずは、誰がどの程度の権利を持っているかを把握することは、とても大切です。

さて、その2となる今回は、相続に関する3つの時間について、お話をしたいと思います。

『相続』が発生すると、ものすごい勢いで時間が過ぎていくように感じるものです。平穏な日々を過ごしているときとは比べものにならないくらい早い、なんて声もよく聞きます。

法律では、いつまでに遺産を分割しなければならない、という決まりはありませんが、区切りをつけなければならない重要な期限が3つあるのです。

ぜひ、平穏な日々であるうちにご確認ください。

期限その1:3カ月

人が亡くなった場合は、原則7日以内に死亡診断書を添付して、死亡届を市区町村の役所に提出しなければなりません。そして、前回お伝えしました相続の場の登場人物となる相続人(が誰か)や、遺言書の有無を確認します。

まだ、深い悲しみの中にいるタイミングになるかと思いますが、ここで、1つ目の期限がやってきます。

相続人は、『相続が発生したことを知った日』から、3カ月以内に相続に対する態度を明確にする必要があるのです。なぜならば、相続する財産は、プラスの財産ばかりだとは限らないからです。場合によっては、負債などのマイナスの財産のほうが多いこともあります。

従いまして、相続が発生した場合、つまり、人が亡くなった場合は、速やかに遺産の概要を把握し、下記の3つの中から、自身が相続に臨む態度を選択しなければならないのです。

①単純承認
3カ月以内に法的な手続きを何も取らなかった場合には、自動的に、この選択をしたことになります。その結果、当然、全ての権利だけではなく、義務も相続したことになりますから、プラスの財産のみならず、負債も全て相続することになります。 ここで、一点気をつけなければならないのは、この3カ月の期限内に、相続財産の一部を処分したり消費したりしてしまった場合です。この行為は、単純承認をすることを前提とした行為としてみなされることになりますから、大きな負債がある可能性がある場合は、慎重な判断が求められます。

②限定承認
相続が発生した直後は、相続財産の明細全てが把握できないケースがあります。この限定承認は、相続したプラスの財産の範囲で負債を弁済し、それ以上の責任は負わないことを前提として、相続を承認するスタンスとなります。この場合は、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認を選択することを申述する必要があります。

③相続放棄
相続人が相続する権利、義務の双方、いっさいを無条件で放棄することになります。限定承認同様、家庭裁判所に3カ月以内に申述する必要があります。

期限その2:4カ月
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