お金に対する迷いをなくすために必要なものさし

皆さん、こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山田英次です。

昨年の春に日銀の総裁が黒田さんにバトンタッチされてから、アベノミクスという言葉が徐々に浸透してきました。まだまだ予断は禁物ですが、黒田総裁の誕生から1年あまりの期間が過ぎた今、本格的な景気回復を感じさせるサインもいくつか出てきたことは、評価に値するのではないかと思います。

ただ、2008年秋のリーマン・ショックから5年が経過した今も、『あのときのダメージ(損失)がまだ、回復できてない』といった方も少なくないのが実情だと思います。確かに、日経平均株価はリーマン・ショック前の水準に戻りつつありますが、当時の株式市場の大嵐の中で、脱出レバーを引いたまま、つまり、市場から退場したまま、景気回復の波に乗り遅れてしまったというケースも多々あるのです。

でも、だからといって、『ダメージ(損失)を回復すること』を目的として、感情的な資産運用に走ることは避けていただきたいと思います(痛い目を見る可能性が高まります)。

当たり前ですが、皆さんの資産形成の本来のメインエンジンは、日々の勤労によってもたらされるフロー(収入・収益)であり、その一部をストック(貯蓄)に回した蓄積こそが、本来の『資産』なのです。

『資産』運用とは、その本来の『資産』を有効活用して、さらなる収益の確保を目指すという意味では、サブエンジンの位置づけであると割り切って考えることも大切です。皆さんの資産形成は、メインとサブのエンジンによって加速していくかたちになるわけですから、5年前のサブエンジンによるダメージから回復するために、必ずしもサブエンジンの力だけで挽回することにこだわる必要はないのです。

株のダメージ(損失)を埋めるために、この5年間、メインエンジンであるフローを改善したという方も多くいらっしゃいますが、これはこれで、素晴らしいダメージ回復術なのです(より一層仕事を頑張って収益を高めた、または、節約をして、ダメージを軽減した、などという例です)。

お金に関する迷い

さて、いずれにしても、生きる上で必要となるお金を効率的に管理していくことは、とても大切なのですが、実は、多くの方は、収入や資産の大小にかかわらず、下記のような疑問、迷いを抱いています。

・毎月貯蓄するべき金額はどの程度なのか
・毎月使っていい生活費はどの程度なのか
・自分のお小遣いは増やしても大丈夫なのか
・今年の家族旅行の費用はどの程度までなら許されるのか
・何歳で、いくらくらいの家を買うのがいいのだろうか

そして、これらの疑問や迷いの答えを探すかのように、または、解決するかのように資産形成に励む方々も多いのですが、何も物差しを持たないままで頑張ると、いつまでたっても、何もクリアになりませんし、安心することもできません。

なぜなら、下記の2点を把握しないまま貯蓄、資産運用に励むということは、ゴールのないマラソンに参加するようなものだからです。

・自分が満足できる生活をするためには、総額でどれくらいのお金が必要なのか
・そのお金は、自分の勤労による収入で賄える範囲なのか

皆さんが、この疑問を放置したまま生活をしたとしても、今月、来月に問題が顕在化することはありません。でも、いずれ、大きな恐怖を伴う課題に気付いてしまう可能性があるのです。

具体的には......

・年をとってから、『実はお金が足りない』ことに気付く

ということです。 皆さんを脅すようで恐縮ですが、この恐怖を伴う課題に気付いた方の対処法は、おおむね、下記の2者、どちらかになります。

・節約し続ける(我慢する)人生を歩む
・働き続ける(頑張る)人生を歩む

勤労によるフローの収入があるうちは、それがいつか途絶えることは知っているはずなのに、遠い将来の課題として、放置してしまいがちです。でも、この遠いと思っていた将来の課題に近くなってから気付いた場合、大抵は、『どうにもならない』のです。

物差しを持とう
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