包丁研ぎは角度で決まる!

では、いよいよ包丁の研ぎ方を説明しよう。

“研ぎ”の方法は包丁の種類によって異なるが、まずは刃の断面がほぼV字形で「諸刃(もろは)」という構造の「洋包丁」の研ぎ方から教えてもらった。

“研ぎ”を行う場所は、家庭なら流し台の上がよいだろう。砥石は滑らないように、濡れ布巾を敷いた上にのせ、身体と直角になるように置く。使用する砥石は事前に少なくとも5〜10分は水に浸けておこう。

なお、包丁には表と裏があり、表面(おもてめん)は利き腕で持った時に外を向く面。つまり右利きなら、包丁を握った右側ということだ。

研ぐプロセスは以下の通りだが、こちらは、右利きの人の包丁を研ぐ方法。左利きの人が使う包丁を研ぐ際は、左右が逆になる。

1.研ぎはじめは表面から

研ぐ際は刃全体を一度に研ぐのではなく、刃元(柄側の刃)から切っ先までを4分割して、刃元から切っ先へ向かって、そのパートごとに研ぐ。

作業は表面から行う。

まず、砥石に表面を下にして包丁を置く。このとき、包丁の刃先が左手前45度を向くようにする。そして、そのまま包丁の背(みね:峰という)を少し持ち上げて刃に角度をつけ、包丁を前後に動かして研ぐ。このとき、包丁の峰と砥石の隙間が3枚重ねた10円玉の高さと同じくらいにすると刃がちょうどよい角度になる。

包丁を前後に動かすのは、刃の上に添えた左手の人さし指、中指、薬指の役目。柄を握る右手で研ぎ角度を同じに保つ

2.研げたかどうか確認しながら研ぐ

研いでいる面ではなく逆の面の刃を触って、ザラっとした感覚があったら、研げた合図。

その部分が研げたら、刃先をずらして、次に研ぐパートを左手の下に移動させる。そして、これまでと同様に研ぐ。

ザラっとした感覚は、研いでいる逆の面の刃に金属のバリ(カエリ)が出ている証拠。この感覚があるまで、何度か指で確認しながら研いでいこう

3.切っ先は少し角度を付けて

4つに分けたうちの3つ目のパートまで研ぎ終わったら、切っ先を研ぐ。この部分は、これまでより若干刃に角度をつけて研ぐこと。研ぎ終わったら、包丁をひっくり返して裏面へ。

切っ先に角度をつけるのは、刃が曲がっている部分をしっかり研ぐため。研ぐ際は、今までより左指の力を抜くこと

4.裏面は砥石と直角に

裏面は、背を手前に向け、砥石と直角になるように包丁を置いて作業する。研ぎ角度は、表面より少し寝かしぎみにしよう。表面が10円玉3枚なら、こちらは峰の下に10円玉が2枚程度の隙間を空けるイメージで。表面同様、4つのパートに分けて研いでいく。

裏面を研ぐ際には「砥石の上半分を使うようにしてください」と石田さん。何かの拍子で砥石の手前の面に刃が当たって、突っかけると危険なためだ。

5.木を軽く切って仕上げる

切っ先まで研ぎ終わったら、木の板に刃を当てて軽く引き切りして、表面の刃にできたバリを取る。 最後に包丁を水洗いして、刃と柄を乾拭きすれば作業完了だ。

砥石の台が木製なら、台の裏で仕上げの引き切りをしてもよい。刃先のバリを取り除く引き切りは、かまぼこの板を使っても構わないとのことだ
錆びてしまった包丁を蘇らせるには?
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