“筆記具の最高峰”万年筆を一生使う!(後編)

筆記具の最高峰といえる万年筆。長く使えば使うほど手になじむという万年筆と一生付き合っていくための使い方を、専門家に伝授していただいた。
いよいよ後編は、定期的なメンテナンス方法について、紹介する。

全てはインクを詰まらせないために――

万年筆の種類が理解できたところで(前編はこちら)、定期的に行うメンテナンスの方法を説明してもらったが、カートリッジを使っているものとそれ以外でやり方が異なるという。その方法は以下のとおりだが、いずれにせよ万年筆内のインクの通り道を洗浄することが主な目的だ。

1.カートリッジタイプ
「まずは、カートリッジを外します。このとき、たとえインクが多少残っていても捨ててください。一度ふたが開くと埃が入るし、インクの水分も飛ぶものです。そのようなカートリッジを再度使うと、インク詰まりの原因になってしまうこともありますので――。次にコップなどに水道水をためていただいて、ペン先を半日から一晩浸けておきます。翌朝、ペン先を取り出して、ちょっと細めに蛇口から水を出し、ペン先を下に向けて上から水を流してください。最後にペン先の水分を拭き取りますが、ゴシゴシと拭かず、布やティッシュペーパーにのせるだけ。万年筆は繊細な道具なので、とにかく優しく扱ってあげてください」(福家さん)

カートリッジを外し、コップなどにためた水道水にペン先を一晩浸けておく
ペン首から水を通す。家庭では、水道水を細くして流せばよい
布を当てて水分を吸わせる。ペン先は優しく扱うのが鉄則!
ペン先の裏側のペン芯と呼ばれる部分も、水分を吸い取っておく

2.コンバータータイプ
「コンバーターを使ったものと回転吸入式の万年筆のお手入れは、さらに簡単です。まず、古いインクを捨ててしまいます。そして、ペン先をコップなどにためた水道水に浸けたまま、ピストンを動かして水を入れたり出したりしてください。ペンの中に水を通すことで洗浄していきます。インクで染まるたびにコップの水を換えながら、水にインクの色がつかなくなるまで洗浄を繰り返します。回転吸入式も、やり方は同じです」(福家さん)

どちらもやってみると意外と簡単だが、ここで注意しておきたいのが、このやり方はあくまで一般的な方法だということ。万年筆のなかには、水に浸けておいてはいけない素材を使っているものもある。そのため、「必ず、買ったときに付いていた取扱説明書などに準じた方法で行ってください」ということだ。

ピストンを下げて、コンバーターからインクを出す
ペン先を水に浸けたまま、ピストンを上下させ、水を出し入れする

は、このメンテナンス、どのくらいのスパンで行えばよいのだろうか?

「万年筆の最大のトラブルは、インクが乾いてしまうこと。そのため、毎日使ってインクを通してあげることが、実は万年筆にとって一番のメンテナンスなのです。もし、毎日使っているのなら水洗いは3~4カ月に一度で十分(一般的な染料インクの場合)。逆に、もし2〜3週間以上、ペンを使う予定がないのなら、洗浄してインクを抜いておいたほうが無難だと思います」と福家さんは説明する。

毎日の使用で注意しておきたいこと
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