大切な靴を長く履きたい Ⅱ
「先手必勝」でお気に入りのビジネスシューズを長持ちさせる

毎日履くものでありながら、こまめなケアや傷みの補修がおろそかになりがちなのがビジネスシューズだ。たとえ古い靴でも、適切にケアをしていれば靴の寿命はのばすことができる。今回、正しいシューケアについて、靴修理の専門店ユニオンワークス銀座店の鳥海悠介さんに話を聞いた。

修理のタイミングは早めが肝心

ユニオンワークスは、数十万円するような高級靴も安心して任せられると、靴の愛好家たちから評判のお店だ。そのため、修理の相談が次々に持ち込まれてくる。

まず、もっとも修理頻度の高い箇所がヒールだ。ヒールは、革製のものとラバー製の2種類がある。前者は革を何層も重ねてあり、かかとの後端部分にだけ小さくラバーで切り替えられているものが多い。

「革のものは、端のゴムの部分が一層減ったら交換時期。全体がラバー製のものは、摩耗が1cmくらいの時期が目安ですね。ラバーも革製も減り方は同じです。高級靴は革製ヒールが主流ですが、お客さまのなかには滑りにくいからとラバーのものに交換される方もあります。これはお客様が実用性、高級感のどちらを重視するかによって、好みで選択されています」

次に摩耗しやすいのが、つま先だ。こちらは通常、2層か3層でできており、鳥海さんは1層目が減った時点での修理を勧めている。

摩耗が2層目まで及びそうになる手前が、修理のタイミング。(写真提供:ユニオンワークス)

早めの修理なら、先端の部分の一層の張り替えだけで3,000円で済む。が、放置したことでオールソール+リウェルト(靴底全体の張り替えとコバの張り出し部分の交換)になり2万7000円かかってしまうことも珍しくないという※
※これはグッドイヤーウェルト製法の靴の修理の場合です

靴が休む期間を設けるのが鉄則

一般的に、同じ靴を毎日履き続けないようにしたほうがいい。特に靴に興味がない人でも、こうした話は聞いたことがあるだろう。

「1日履いたら中2日休ませるのが定説と言われています。はいているときに足も汗をかくので、この湿気を飛ばすのがその目的です」

ただし、中2日というのはあくまで目安なので、汗かきの人はそれ以上に休ませたほうがいいそうだ。

「理想を言えば5足は欲しいですね。茶系と黒を取り混ぜ、5足をバランスよくローテーションさせれば、1日履いて1週間休ませることができます」と鳥海さん。修理に出したりする場合も考慮すると、たしかに5足必要というのは納得が行く。きれいな靴は仕事相手にも間違いなく好印象を与えてくれる。シューケアは整髪などと同じく、できるビジネスパーソンの身だしなみだ。汚くなるまで使った靴を次々に使い捨てるのではなく、上質な靴を大事にメンテナンスしながら長く使う。そのほうが見た目にもスマートだし、長持ちするなら経済的にも賢明と言える。ひとまず奮発して上質な靴を5足揃える。これを基本に、靴との新しい付き合い方を始めてもよいのではないだろうか。

収納前にまず乾燥が必要
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