IEDAN 01 × 藤井フミヤ(歌手)
「本物の体験」。 それが藤井家の大切にしてきたキーワード

IEDAN
家を楽しむ、家族と楽しむ。
人生に、仕事に、こだわりを持ってまい進するのはもちろんのこと。
家という空間が好きで、家で過ごす家族との時間を大切にしたいという男たち。そんな新しい男性像をGENUINはIEDAN【イエダン】と名付けました。

食へのこだわりからガーデニングも。
ベランダで常時5~6種類のハーブを育てています。

「朝起きると、まず『今日は何を食べようか』と考えますね」

と語る藤井フミヤさん。毎日の生活のなかで、「食」が占める割合はかなり高いという。朝食でも、凝るときには和風旅館の朝ご飯のように、焼き魚と煮物と小鉢といったように4~5品を並べる。パスタであれば、具材やソースを替えてバリエーションを楽しむ。

「男の料理だから、本物志向というか、凝り性なんですよ。ラーメンに凝りだせば鶏ガラでスープから取りたくなるし、餃子を極めたくなれば粉から練って皮から作る。それを家族や友だちにふるまって、『どうだ!』と言いたいわけです(笑)」

食へのこだわりとして、最近では自宅のベランダでガーデニングを始め、イタリアンパセリ、コリアンダー、ローズマリー、ミントなどつねに5~6種類のフレッシュハーブを育てている。

「育てるといっても、ほんとに適当。放ったらかしでも、そこそこ育つから植物は偉いよね」

料理を覚えたきっかけは、高校時代に仕出し屋でアルバイトをしたこと。包丁使いや煮物などの基本は、そのとき身に付けた。

「もともと実家の母が料理上手。食い道楽でもあったから、子どものときからいいもの、本物の味を食べさせてもらっていたと思います」

子育てにも、積極的にかかわってきた藤井さん。2人の子どもたちには料理する父親の姿を見せてきた。

「基本はカミさんが作るけれど、忙しかったり留守にしているときでも、子どもは容赦なく『腹減った』とか言いだすじゃない。そういうとき、ちゃちゃっとドンブリ物などを出す。それなりにうまいものは作りますから、子どもたちも舌は肥えているはずです」

子どもたちと過ごす夏休みが楽しくて、
8月も末に近づくと子どもたちといっしょに嘆いたものです。

藤井家では、「学生のうちに必ず留学する」ことを家訓にしていた。海外で生活した子どもたちは、かなり食事に苦労したようだ。

「学生の小遣いで入れる店も限られているから、『人生でここまでマズい物を初めて食べた』ってことの連続でしょうね(笑)。まあ若いうちに、そういう強烈な体験をしておくのも大事じゃないかな」

「本物の体験」というのは、藤井家の子育てで大切にしてきたキーワードだ。家族旅行では、海が好きな子どもたちのために海外のビーチリゾートを巡った。

「印象に残っているのは、マレーシアのコタキナバル。ホテルで用意してもらったランチボックスを持って、小さな無人島まで船で渡るのが楽しかったなあ。そのホテルがTPP会議に使われていたのをテレビで観て、ちょうど家にいた子どもに『ほら、あのホテル!』と教えたのだけど、あんまり覚えていなかったね(笑)」

子どもたちが小学生までは、めいっぱい子育てを楽しもうと決めていた。年間スケジュールを決めるのも、まずは家族の誕生日と記念日、学校の行事を押さえてから。休みのすべては家族と過ごしていた。

「よく、子どもに毎日付き合うのが大変だから、『早く夏休みが終わらないか』という親の声も聞くけれど、うちの場合は逆。8月も末に近づくと『夏休みが終わっちゃうよ』と子どもたちといっしょに嘆いたものです」

そこまで本気で子どもと向きあったからこそ、親離れ・子離れも早かったという。

「反抗期も、その時期にしっかり反抗させれば、すんなり終わると思う。その辺をなあなあにして、親が子どものご機嫌を取ったり、反抗する機会を奪ってしまうと、妙に長引いてしまうんじゃないかな」

とはいえ、子どもたちが留学のため相次いで家から離れたときは、かなりの寂しさに襲われたそうだ。

「それまで朝起きれば、誰かの声が聞こえるようなにぎやかな家が、いきなり、何の物音もなくシーンとしているんだからね」

そんな頃、藤井家に新しい家族ができた。木梨憲武さんの家からやってきたヨークシャテリアとマルチーズのミックス犬、ロックくん。犬を飼うのは初めてという藤井さんだが、

「夏場は、朝の5時6時には散歩に行くから、早寝早起きになりましたね。それまでは夜中まで曲を作ったりしていたのが、最近は夕飯を食べたら眠くなってしまうんです(笑)」

結婚記念日にはソファを買い替える、部屋をリフォームする、など
夫婦の生活が豊かになることにお金を使おうと考えています。

30代、40代は、仕事と子育てで手いっぱい。夫婦ともに50代になり、やっと毎日の暮らしをのんびりと味わえるようになったと語る。

「これまでも、結婚記念日には2人のためにお金を使おうと考えてきました。たとえばリビングのソファが古くなったから買い替えるとか、部屋をリフォームするとか。そのほうが、お互いの生活が豊かになるし、記念にもなるでしょう」

今年の結婚記念日には、ギャラリーでひと目ぼれしたノーマン・ロックウェルの版画を買った。10代から80代までさまざまな年代のカップルを描いた作品のプレゼントを、奥さんも非常に喜んでくれたという。

2013年に、デビュー30周年とソロデビュー20周年のダブルアニバーサリーを迎えた藤井さん。今年はその後半戦としてソロデビューからの20年に焦点を当てた1年となる。4月には初のフルオーケストラ公演を終え、8月中旬からは全国ツアー「藤井フミヤ30th Anniversary Tour vol.2 TRUE LOVE」が始まる。

「このツアーは、まさに30年ぶんの集大成。最初はポップスからスタートして、ロックもダンスミュージックもバラードも歌う。ピアノ一本から、それこそフルオーケストラをバックにしても勝負ができるシンガーになれたと思っています。4月のオーケストラ公演を見てくれた方に『まるで1曲ごとに違う映画を観ているようだった』という感想をもらったんですが、舞台上のパフォーマンスも1曲1曲の世界観を楽しんでくれたら嬉しいですね」

デビューから30年、ソロで20年。自分だけの、本物の音楽を求め歌い続けてきたシンガーの舞台に、熱い注目が集まりそうだ。

FUJII FUMIYA

1962年、福岡県久留米市生まれ。2014年は「TRUE LOVE」でのソロデビュー20周年、デビュー30周年のアニバーサリーイヤー。8月16日の東京公演を皮切りに11月8、9日の大阪フェスティバルホールまで、特別な魅力あふれるステージが期待されている。
http://www.fumiyafujii.net/

Photography
:by Michinori Aoki
Text
:by Mary Yamada