Living with photography - 写真のある暮らし

ラフロイグとレティヴァ。
シングルモルトとスイスの山のチーズの組み合わせは癖になるほど魅力的。

シングルモルトの愛好家は日本にもたくさんいらっしゃるようですが、私にとっても欠かせないお酒。冬の長い夜には、特にスモーキーなシングルモルトを楽しみたくなりますね。私のお気に入りはアイラモルトを代表するラフロイグ12年。ピートの香るスモーキーなシングルモルトです。このラフロイグのお伴に欠かせないチーズとしてご紹介したいのが、スイスのレティヴァ。

スイスチーズの代名詞といえばエメンタールやグリュイエールの名前があがりますが、レティヴァも同じようにスイスを代表する山のチーズといってよいでしょう。フランスと国境を接するレマン湖の東、ヴォー州が生産地で、標高1000メートル以上の高地の夏の牧草を食べた牛のミルクがその原料。伝統的なショードロン(銅鍋)で薪を熱源とした伝統製法により、燻製のようなスモーキーな香りがプラスされていることがレティヴァの味わい、香りの特徴となっています。

ラフロイグとレティヴァの好相性の理由、それはともに「スモーキー」な香りを共通項に持つことなのですが、もちろん香りだけではありません。夏の高地の牧場で、スイスの国花エーデルワイスを含むさまざまな夏草を食んだ牛のミルクを原料にしたレティヴァは、しっかりとしたアミノ酸のうまみと香ばしさを感じ、その余韻は口の中に残ります。その余韻に、コクのあるラフロイグのピートや磯の香りを重ねたときの味わい深さといったら!癖になるほどに魅力的です。

ちなみに年間4万トン生産されるグリュイエールと比べると、レティヴァの生産量はわずか400トン。にもかかわらず、チーズ好きをとりこにしてしまうレティヴァの魅力は、その独特なうまみと余韻にあり、個性的でパンチのあるチーズと言えるでしょう。生産地の人々のレティヴァの楽しみ方の代表格は白ワイン、生クリーム、レティヴァを溶かしたフォンデュでパンを食べること。もしあなたがレティヴァの魅力にはまってしまったら、寒い冬の季節にぜひこのフォンデュにもトライしてみてください。

[ 写真 ] 大きな円盤形で重さは約25㎏。夏季に高地で放牧された牛のミルクのみを原料にしている。描かれている花はエーデルワイス。レティヴァ(100g)¥1,020/フェルミエ www.fermier.co.jp ウィスキーの聖地、アイラ島の蒸留所が生み出す至高のシングルモルトウイスキー。ラフロイグ10年 (750ml)¥5,600(税別)

photography by Miki Mana
text by Toshie Fujino

案内人
ファビアン・ デグレ(Fabien Degoulet)

フランスのル・マン出身。実家はマルシェでチーズ店を営む。2008年、INALCOの日本語専門学校卒業。2008年に来日し、フェルミエに入社。渋谷店勤務、同店店長を経て2014年からフェルミエ商品開発部。2013年6月サントモール ド トゥレーヌ騎士の会 名誉シュヴァリエ。2015年6月モンディアル デュ フロマージュ コンクールで優勝。世界最優秀フロマジェに選ばれる。故郷ロワールのチーズとワインをこよなく愛しながら、日本酒とチーズのペアリングの素晴らしさも発信。


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