Living with photography - 写真のある暮らし

白カビチーズの2つのスーパースターと
ベルギーのセゾン・ビール

世界各国、さまざまな風土の中で育まれてきた、おいしくも滋養溢れるチーズが今、フーディーズたちを中心に密かなブームだ。自宅で気軽に愉しむ季節のチーズ&ドリンクペアリングを世界最優秀チーズ職人、ファビアン・デグレがご案内。

夏の農作業の合間に飲むために、冬に仕込み、貯蔵したことに端を発するベルギーのセゾン・ビールをご存じですか? アルコール度数は5~6%と、ベルギービールのなかでもさっぱりと飲みやすく、その生まれがあらわすように、夏にふさわしいビールです。このビールのおともにおすすめは、白カビチーズを代表する2つのスーパースター、「カマンベール・ド・ノルマンディー」と「ブリー・ド・モー」。

ノルマンディー地方の海の香りのする草を食んだ牛のミルクからつくられる「カマンベール・ド・ノルマンディー」は、バターのようなコクと塩味が特徴のチーズ。カマンベールと名付けられたチーズは数ありますが、本物のカマンベールはノルマンディー地方の限られた指定村落でつくられている「カマンベール・ド・ノルマンディー」のみなのです。

カマンベールよりもさらに長い歴史を持つ、フランスを代表する白カビチーズが「ブリー・ド・モー」。カマンベールが約250gであるのに対し、ブリーは2.5~3kg。店頭ではカットして販売されています。マッシュルームのようなキノコの味わいとしっかりとした旨味が特徴で、通常はワインの好パートナーとしておなじみでしょう。

ビールと合わせて楽しむときは、カマンベールもブリーも中央に芯が立つくらいにフレッシュで若めのものを選んでください。今回選んだ「Saison 1858」の適温は8~10℃くらい。それ以下だとせっかくのアロマを感じられないので、決して冷やしすぎないでくださいね。美しいカクテルグラスに注いでどうぞ。

[ 写真右 ] 白カビチーズを代表する3つのフランスチーズ:
左が「クロミエ」。中央は「カマンベール・ド・ノルマンディー」。おなじみのポプラの経木のパッケージは、ノルマンディーからパリまでの長時間輸送を可能にしたといわれています。右はソフトチーズとしては破格の大きさの「ブリー・ド・モー」。パリ盆地東部のブリー地方で生産される歴史のあるチーズ。/すべてフェルミエ愛宕店 www.fermier.co.jp

[ 写真左下 ] ドライフルーツを添えて:
白カビチーズは、ドライフルーツとの相性もいい。一緒にいただくと、一層食が進む。

[ 写真左上 ] 白カビチーズと好相性のベルギービール:
ホップの苦みのなかに、フルーティなアロマも感じるビール「Saison 1858」。/小西酒造 www.konishi.be 本来はカクテルグラスの「トロピカル117」はぽってりと丸みのある形状がベルギービールにぴったり。/木村硝子店 www.kimuraglass.co.jp すらりと長いステムが優雅で美しいワイングラス「ピーボ オーソドックス 62987-390」/木村硝子店 www.kimuraglass.co.jp

photography by Miki Mana
text by Toshie Fujino

案内人
ファビアン・ デグレ(Fabien Degoulet)

フランスのル・マン出身。実家はマルシェでチーズ店を営む。2008年、INALCOの日本語専門学校卒業。2008年に来日し、フェルミエに入社。渋谷店勤務、同店店長を経て2014年からフェルミエ商品開発部。2013年6月サントモール ド トゥレーヌ騎士の会 名誉シュヴァリエ。2015年6月モンディアル デュ フロマージュ コンクールで優勝。世界最優秀フロマジェに選ばれる。故郷ロワールのチーズとワインをこよなく愛しながら、日本酒とチーズのペアリングの素晴らしさも発信。


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