家族の外食、どうします?

外食は楽しい。とくに家族で食事に出かけるのは、気分が変わっていいものです。家で親が作ってくれる料理が一番だとしても、たまの外食は、たいていの子どもが大好きでしょう。家族として外食の目的を考えてみると、下記のものが思いつきました。

その1:家庭では作れないものを食べに行く
その2:マナー(社会ルール)のお勉強の場
その3:ほかに行くところがない

親はつい、自分が好きなものを子どもにも食べさせたい、と思うものです。男親だったら、ハンバーガーとかミートローフとか、あるいは初夏ならチェリーパイ。アメリカ料理ばかりですが、シンプルなおいしさがあります。カルボナーラより、それを簡単にアレンジしたマカロニ・アンド・チーズが子どもウケするものです。日本料理やフランス料理よりカジュアルなぶん、一緒に行けるレストランが多いのもアメリカ料理の魅力です。

たとえば、溜池山王のアークヒルズに入っている「バビーズ ニューヨーク アークヒルズ」。子どもと一緒に行きたくなるレストランです。ハンバーガーをはじめ、ベーコン、ソーセージ、それにパイ各種。自然光を生かした店内も、男親としては、子どもを連れていきたくなる最右翼です。

それともうひとつ、わが家では、作るひとの顔が見えるということを重視しています。世田谷・奥沢に、昔から通うとんかつを中心とした洋食屋さんがあります。そこは、子どもを連れていくのにぴったりのところだと思っています。

なぜかというと、カウンターの向こうでご主人が料理を作り、途中で「おいしい?」と笑顔で聞きにきてくれるからです。

作っているひとが見えると、食べ物は「料理」に変わります。流れ作業のような現場が見えるファストフードは「工業製品」。残すにも、罪悪感はあまりありません。でも「料理」は、家で作ってもらったり、よそのお宅で出されたりするのと同じ。自分のために誰かが思いをこめて作ってくれた、と知りながら食べるものなのです。

それを理解するのが、外食の重要なポイントだと思っています。おとなだって、寿司屋さんやカウンター式の割烹で、料理をぞんざいに扱えないのと同じかもしれません。ひとへの思いやりが、キッチンから始まるというのは、家の中でも外でも同じだと考えているのです。

小川フミオの
子どもと行きたいレストラン
おすすめ 5.

1 レストランBio-S(富士宮市)
オーナーはフランス料理の一流店勤務のあと、無農薬野菜の作り手に転じたひと。畑直送の野菜を使うフランス料理は、「ごちそう」とはなにかを理解させてくれるはず。

2 WILD MAGIC-THE THIRD PARK(東京・豊洲)
2012年に豊洲にできたオートキャンプとBBQのサイト。アウトドアクッキングは、親子で楽しめる。食材は現地調達できるが、用意して出かけるのもまたよい。

3 バビーズ ニューヨーク アークヒルズ(東京・赤坂)
ニューヨークのトライベッカに本店があるという、ハンバーガーやパイを食べさせてくれるレストラン。ウッディーな室内や自然光を生かした照明など、男が息子を連れていきたい店。

4 デセール・ルコントワール(東京・深沢)
まるでレストランでデザートを食べるように、カウンター越しにその場で作ってくれる店。テイクアウトにも応じてくれるので、好みを伝えて作ってもらうと最高のスイーツが家庭でも食べられる。

5 きた福(東京・赤坂)
かに専門店。毛がにがメインで、1杯を眼の前でさばいて、刺し身、しゃぶしゃぶなど、さまざまな調理法で。部位によっての味の違いもわかるし、子どもは大興奮まちがいなし。

撮影協力
バビーズ ニューヨーク アークヒルズ
住所:東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル2F
TEL: 03-6441-0733
営業時間:平日 8:00~23:00(LO22:00)
土日祝 10:00~22:00(LO21:00)

小川フミオ

自動車とカルチャーを融合させた『NAVI』(二玄社)、日本で最も歴史ある自動車誌『モーターマガジン』(モーターマガジン社)、『アリガット』(IMAGICAパブリッシング)の編集長を経て、2004年よりフリーランス。著者に『カルロス・ゴーンへの警鐘』(02年刊、阪急コミュニケーションズ)、『ひとりで行ける上質ごはん』(東京書籍)他、多数。