取材をおえて

ウイスキーファンの多くは、「物語を味わっている」のだという。つくるほうは、とびきり手間をかけ、こだわりぬき、歳月をかける。飲むほうは、そのつくり手の手間と思いを読み解き、自然と時間を味わい、ロマンを感じる。なんという文化的営みであろう。

ウイスキーはただの嗜好品ではなく、知的で人間的なのである。

でも、だから面白いのだ。そして、その世界に今、日本ならではの感性や価値観が生きている。日本に、世界の感性がやっと追いついてきたのかもしれない。

なにも右肩上がりの発展、変化、適応が、必ずしも時代の先端を行くとは限らない。自分たちが大事にしてきたことを、粘り強く、信念をもって続ける。自分たちにしかない性質を、時が熟成し、強みに変える。それが、ジャパニーズウイスキーが教えてくれることではないか。

Photography
:by Junji Hirose
Text
:by Miki Sumiyoshi

MALT BAR WHISKY VOICEお台場

住所:東京都港区台場2-3-3 カトラリーハウスB1
営業時間:11:30~14:30(L.O.14:00)
17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:土曜日、日曜日、祝日

輿水 精一(こしみず せいいち)

1949(昭和24)年生まれ。1973年サントリー株式会社(現サントリーホールディングス株式会社)入社。研究センターでウイスキーの貯蔵・熟成の研究に従事。その後、貯蔵部門などを経て、1999年からチーフブレンダーとして様々なサントリー・ウイスキーの開発・ブレンドに携わる。2014年、名誉チーフブレンダーに就任。「響21年」をはじめ、手がけたウイスキーが世界的な酒類コンペティションで多数の最高賞を受賞する。

住吉 美紀(すみよし みき)

フリーアナウンサー/エッセイスト。1973年生まれ。国際基督教大学卒業。1996年 アナウンサーとしてNHKに入局。「プロフェッショナル 仕事の流儀」や海外中継番組などを担当。2011年4月よりフリーに。 現在は、TOKYO FM「Blue Ocean」(月〜金 9:00〜)、「キリンビバレッジ presents私の別格」(日 12:00〜)、月刊「Kiite!」にて音楽コラム連載、など、幅広く活躍中。著書に『自分へのごほうび』。 ヨガの指導者資格を持つ。

1  2  3  4