1軒目は浅草六区通りの『捕鯨船(ほげいせん)』

こんにちは、niŭです。
浅草の名店「捕鯨船」にやってきました。

「鯨(げい)を喰って芸を磨け!!」と看板にあるように、芸人さん、芸能人、漫画家さんなどなど著名人御用達のお店です。お店の外にも、中にもサインや直筆のイラストがぎっしり! 今年38年目を迎えた歴史を感じます。

捕鯨船の印象的な看板は、街ゆく人が足を止めて見るほど。
photo by niŭ

「みんな、ここの特別な酎ハイが飲みたくて来るんだよ」

と「船長」河野通夫さんが出してくれた元祖梅酎ハイは氷までおいしい、これならすいすい何杯でも飲めて悪酔いもしないだろう、という納得のおいしさ! とてもスッキリしていて、確かに他では飲んだことのない透明感のあるハイクオリティーな酎ハイです。

透き通った大きな氷を豪快に入れてくれます。

そして自慢はなんといっても、今でも河野船長自身が仕込みをする、トロトロの牛モツ煮込み!モツがそれほど得意ではない私も、あまりのおいしそうな煮え具合にひと口。口の中でトロトロとほぐれていく甘辛いモツはクセになるおいしさで、取材中にもかかわらず、思わずお箸が止まらなくなりました。

お店に入るとすぐ目に飛び込んでくる大きな鍋。これだけでも食欲をそそります。
photo by niŭ

実はこのモツ煮込みには、河野船長の特別な思いと物語がありました。

ご自身でお話しされるまで全く気づかなかったのですが、以前に脳梗塞を患い、半身にまひが残って一時は話すこともままならないほどだったそう。それも、苦節を経てめでたく10周年を迎えることができた『捕鯨船』が浅草六区にお店を移し、この地域を芸の街としてもり立てていこう、とはりきっていたところで。

それでも船長は、病をおしてこの六区のために奔走。見事、現在のようにバリアフリーの清潔な商店街をつくり、所縁のある著名人や芸人さんたちの看板を掲げ、新しい名所として生まれ変わらせることに一役買ったのです。

「いつも、俺が浅草だ~!!って叫んでいるんだ(笑)」

そうした思いがあったからこそ、まひを治したいと自己流のリハビリとして始めたのが、この牛モツ煮込みを毎日必ずご自身で仕込むということ。リハビリを乗り越えた船長の強い意志の結晶であり、浅草の街やお客さんへの深い愛情があってこそできあがるおいしい煮込みなのです。

もちろん、店名通り捕鯨船は鯨肉がメイン。でも今のご時世では捕鯨に賛否両論があり、最近になって南氷洋の捕鯨は禁止となりました。「ストックのは今年いっぱいはもつかなあ……、最後の南氷洋の鯨なんだよ。他の場所の雑食の鯨と違ってオキアミしか食べていないから、格段に肉質が柔らかいの」と河野船長。

そのおいしさは、鯨のお刺し身の身と皮のとろけ具合ではっきりとわかりました。おいしい! 口の中でとろけるのに、ちっとも脂っぽくないし獣臭くもない。

「これで作った竜田揚げがまた、うまいんだよ」

私はギリギリ小学校低学年の頃、鯨が給食で竜田揚げになって出てきた世代。ぜひとも近々また行って、竜田揚げを食べなくては……!

2軒目は浅草ホッピー通りのお店『正ちゃん』
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