第1回 男の1坪ガーデニング × 梶浦道成
オーガニック・ローズから始まる、小さな大自然

夢中で楽しめる「趣味」と出合い、その世界を深めながら、趣味をライフスタイルの一部として豊かな生活を謳歌する人生の達人たちを紹介する本連載。アーティストでモデルのniŭさんが、達人達の趣味の現場をレポートします。初回のテーマは「男のガーデニング」です。キーワードは、「オーガニックのバラで」「1坪の庭を」「生物多様性の庭に」。

1坪の庭がまるで「小さな里山」。しかし、ここは都会のど真ん中、渋谷区の住宅街です。今回、取材させていただいたのは、オーガニックのバラを中心に虫たちや土壌微生物、自然の仕組みを確立し、ご自宅の庭で20年近く美しいバラを咲かせ続けているコピーライターの梶浦道成さん。「毎年、試行錯誤を繰り返し、まるで実験をしているような時間を過ごせるオーガニックのバラ栽培は、男性にこそおすすめの趣味です」と梶浦さんは言います。

― オーガニックでバラを育てようと思われたきっかけは何ですか?(聞き手:niŭ 以下略)

梶浦: 「20年ほど前、家を建てるときに、ヨーロッパの建物のような壁につるバラをはわせた壁庭をつくりたいと思ったのがきっかけですね。育て始めた最初の2年は農薬を使っていました。でも、自分の敷地や家に農薬をまくって嫌なもんでしょう?そう思っていたら、農家の方が読む専門誌『月刊 現代農業』で有機栽培でバラを育てることを知ってウェブで情報交換をはじめました。

『石鹸水をまくと虫がつかないよ』といった情報を試すなど、試行錯誤しながら栽培していました。でも結局、虫と闘うわけだし、農薬をまくのと方法としては根本的に変わらないと思っていたんです。そんなあるとき、原野には野バラがたくさん咲いていることを思い出して、自然界と一緒の環境で育てるのがいいんじゃないかと思い『生物多様性の庭』をつくり始めました。虫と闘うより、ずっと理にかなっているんです」

― ネットで同志の方々と情報交換をしながら、今のスタイルにたどり着いたんですね。ところで、梶浦さんがバラ選びで気を付けていることは何ですか?

梶浦:「色に迷わない(笑)。色を欲張らないのが、小さな庭をまとめるコツです。僕は、白をメインカラーに決めています」

「白」といってもクリーム系、純白、ピンクがかった白、など、多彩な白を基調にした品のいいグラデーション。オールドローズのバリエガータ・ディ・ボローニャ、ソンブルーイ、ペルル・ドール、イングリッシュローズのアンブリッジ・ローズ、モダンローズのピエール・ドゥ・ロンサールなど、イタリア、イギリス、フランスなど国籍を超え、時代を超えた多様なバラが、テラコッタ色の珪藻土で塗られた梶浦さんのお家の壁に映えています。

生物多様性を活かした庭づくり
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